今日の新約聖書の人物は「イスカリオテのユダ」です。イスカリオテのユダは、十二弟子の一人でしたが、イエス様に失望し、金銭に目がくらんでイエス様を裏切りました。最後には後悔しますが自害しました。
1.金銭への執着
弟子の一人で、イエスを裏切ろうとしていたイスカリオテのユダが言った。「どうして、この香油を三百デナリで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」・・・彼が盗人で、金入れを預かりながら、そこに入っているものを盗んでいたからであった。 ヨハネ 12:4~6(マタイ 26:14~16)
ユダはイエス様の十二弟子に選ばれて光栄に思い喜んで仕えていたことでしょう。しかし、イエス様は、自分が求めていたローマからイスラエルを解放して地上の王国を打ち建て、自分を高い位に着けてくれるメシアではないとわかり失望したようです。お金に執着していたユダは、祭司長たちにイエス様を銀貨三十枚で売る約束をしました。
金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです。ある人たちは金銭を追い求めたために、信仰から迷い出て、多くの苦痛で自分を刺し貫きました。Ⅰテモテ 6:10(へブル 13:5)
2.裏切り者
夕食の間のこと、悪魔はすでにシモンの子イスカリオテのユダの心に、イエスを裏切ろうという思いを入れていた。ヨハネ 13:2(ルカ 22:3)
ユダはイエスに口づけしようとして近づいた。しかし、イエスは彼に言われた。「ユダ、あなたは口づけで人の子を裏切るのか。」ルカ 22:47,48
悪魔はユダの心の中に無理矢理に入ったのではなく、彼の心の中にあった「イエス様に従いたくない思い、イエス様よりもお金を手に入れたい思い」に働きかけ、ユダはそれを退けずに受け入れてしまいました。
そのころ、イエスを売ったユダは・・・後悔し、銀貨三十枚を祭司長たちと長老たちに返して、言った。「私は無実の人の血を売って罪を犯しました。」・・・そして出て行って首をつった。マタイ 27:3~5
3.なぜイエス様はユダを選んだのか
・・・「わたしがあなたがた十二人を選んだのではありませんか。しかし、あなたがたのうちの一人は悪魔です。」イエスはイスカリオテのシモンの子ユダのことを言われたのであった。ヨハネ6:70,71
ユダが出て行ったとき、イエスは言われた。「今、人の子は栄光を受け、神も人の子によって栄光をお受けになりました。ヨハネ 13:31
しかし、人の子を裏切るその人は・・・生まれて来なければよかったのです。」マルコ 14:21
イエス様は、ユダが裏切ることをわかっていながら弟子に選び、十字架による救いのために利用したのでしょうか。いいえ、そうではなく、イエス様はユダに対して最後まで「友よ、」(マタイ26:50)と呼びかけて、彼が罪を犯さずに悔い改めることを願っていました。