今日は新約聖書の教え8「パリサイ人のパン種への警告」です。イエス様は弟子たちに、パリサイ人(サドカイ人、ヘロデ(党))のパン種にくれぐれも気をつけるように注意を与えられました。彼らのパン種とは何を意味するのでしょうか。また、今日、私たちが注意すべきパン種はどのようなものでしょうか。
1.パン種とは
彼らは、用心するようにとイエスが言われたのはパン種ではなく、パリサイ人たちやサドカイ人たちの教えであることを悟った。 マタイ 16:12
わずかなパン種が、こねた粉全体をふくらませるのです。ガラテヤ 5:9
イエス様が言われた「パン種」とは「教え」のことでした。パン種はわずかな量(10g)でも小麦粉(500g)を大きくふくらませます。
間違った教えは、気付かないうちに時間をかけて静かに、個人や集団の内部から全体に大きな影響を与えるものです。
2.パリサイ人のパン種
・・・イエスはまず弟子たちに話し始められた。「パリサイ人のパン種、すなわち偽善には気をつけなさい。ルカ 12:1
・・・しかし、彼らの行いをまねてはいけません。彼らは言うだけで実行しないからです。また彼らは、重くて負いきれない荷を束ねて人々の肩に載せるが、それを動かすのに自分は指一本貸そうともしません。彼らがしている行いはすべて人に見せるためです。・・・マタイ 23:3~5
イエス様が指摘されたのはパリサイ人の偽善です。当時、パリサイ人とサドカイ人はユダヤ教の二大主流党派でした。パリサイ人は律法と伝承を、サドカイ人はモーセ五書のみを受け入れ大祭司の地位を占めていました。 宗教的な権威を持っていた彼らは、聖書の教えを都合よく変えて、自分たちの地位に執着し、民衆を支配していました。イエス様はパリサイ人の口伝律法、儀式上のきよさの強調、冷酷な律法主義を非難され、サドカイ人の霊魂不滅、復活、天使、悪霊を否定する信仰とも対立されました。
イエス様は彼らの人に見せるための信仰、天の御国への妨害、正義とあわれみをおろそかにしていること、外見の着飾り、クリスチャンへの迫害を厳しく糾弾されました(マタイ 23:3~36)。
3.現代のパン種
・・・誇っているのは、良くないことです。わずかなパン種が、こねた粉全体をふくらませることを、あなたがたは知らないのですか。・・・古いパン種を用いたり、悪意と邪悪のパン種を用いたりしないで、誠実と真実の種なしパンで祭りをしようではありませんか。Ⅰコリント 5:6~8
コリント教会では、性的な罪とその罪の是認、驕り高ぶり(Ⅰコリント 5:1~8)、ガラテヤ教会では律法主義(ガラテヤ 5:1~12)、へブル人への手紙では教会の集まりを否定する信仰(へブル 10:25)が問題となりました。イエス様は世の終わりに登場する偽キリスト、偽預言者に注意するようにと言われました(マタイ 24:24)。現代でも同様の教えがクリスチャンや教会の中に密かに忍び込もうとしています。要注意。