今日は新約聖書の出来事11「姦淫の場で捕らえられた女」です。律法学者たちはイエス様を陥れるために、姦淫の場で捕らえられた女を連れて来ました。イエス様は、ほかの人を見下して自分を義とする彼らの傲慢と愚かさを指摘し、彼らと彼女に再起の道を教えてくださいました。
１．律法学者たちのたくらみ
イエスに言った。「先生、この女は姦淫の現場で捕らえられました。モーセは律法の中で、こういう女を石打ちにするように私たちに命じています。あなたは何と言われますか。」ヨハネ 8:4,5
律法学者とパリサイ人たちは、律法の規定（申命記 22:22～24）を持ち出して姦淫の女をさばき、イエス様を捕らえる口実を見つけようとたくらんでいました。①もし「石打ちにせよ」と言えばローマ法に触れ、冷たく愛のない対応になり、②「釈放せよ」と言えば律法に反することになります。イエス様はすでに彼らのたくらみをご存じで、適切に対応されました。
２．罪のない者が石を投げよ
イエスは身を起こして言われた。「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの人に石を投げなさい。」・・・彼らはそれを聞くと、年長者たちから始まり、一人、また一人と去って行き、・・・ヨハネ 8:7～9
ですから、すべて他人をさばく者よ、あなたに弁解の余地はありません。あなたは他人をさばくことで、自分自身にさばきを下しています。さばくあなたが同じことを行っているからです。 ローマ 2:1（マタイ 7:1～5）
イエス様は、姦淫の女を見下して訴えている者たちに同じ罪があることをご存じでした。彼らはそれぞれ心を探られ、自分にさばく権利はないと気付きその場を離れました。イエス様は、律法学者、パリサイ人たちの罪を咎めることも赦すこともせず、心の方向転換（悔い改め）を促されました。｛「パリサイ人と取税人の祈り」のたとえ（ルカ 18:9～14）｝
３．あなたを罪に定めない。
イエスは言われた。「わたしもあなたにさばきを下さない。（わたしもあなたを罪に定めない。：第三版）」ヨハネ 8:11
神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである。ヨハネ 3:17（ローマ14:4、ヤコブ4:11,12）
イエス様は、姦淫の女の罪を是認することなく、咎めることも赦すこともせず、心の方向転換（悔い改め）を促されました。イエス様は彼女のためにも十字架で死なれ、よみがえり、救いを成就してくださいました。
私たちは、さばき合うためではなく、愛し合うために隣人・兄弟姉妹となっています。私たちも以前はノンクリスチャンでしたので彼らをさばく権利はありませんし、自分と考え方や意見が違う人をさばく権利もありません。ただ互いに認め合い、受け入れ合って、愛し仕えるのみです。
愛する者たち。私たちは互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。愛がある者はみな神から生まれ、神を知っています。愛のない者は神を知りません。神は愛だからです。Ⅰヨハネ 4:7,8
