今日は使徒の働き18「エルサレム会議」です。エルサレムから始まった福音宣教の拡大によって、大勢の異邦人が救いを受けました。また、パウロとバルナバの伝道旅行によって更に異邦人伝道は発展していきました。教会が設立されてから20年目、異邦人が教会に受け入れられてから10年目頃(AD50)、パリサイ派に属する信者たちが律法を守らなければ救われないと主張して教会の中に論争が生じ、教界全体の会議が開かれました。
1.律法に固執する人たち
さて、ある人々がユダヤから下って来て、兄弟たちに「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と教えていた。それで、パウロやバルナバと彼らの間に激しい対立と論争が生じたので、・・・使徒たちや長老たちと話し合うために、エルサレムに上ることになった。使徒 15:1,2
異邦人伝道が成功を収めて進展している中で、今までの教えや慣習を捨てきれない人たちは、自分たちの考えを聖書に合わせるのではなく、あくまでも自分たちの考えを聖書よりも優先させようとして、聖霊様の異邦人の救いの働きと衝突してしまいました。
2.信仰によるきよめ
・・・異邦人にも聖霊を与えて、彼らのために証しをされました。私たちと彼らの間に何の差別もつけず、彼らの心を信仰によってきよめてくださったのです。使徒 15:8,9
エルサレム会議において、聖霊様が異邦人を信仰によって救いに招き入れてくださったこと、旧約聖書(預言者:アモス 9:11,12)もそれを裏付ける主張をしていることが述べられました。そして、満場一致で異邦人の救いに割礼は不要であるとの結論を得て、「信仰義認」の聖書の主張が再確認されました。この決定は、パウロとバルナバ及びユダとシラスの派遣によってアンティオキアの教会に知らされました。異邦人回心者は、この決定と彼らの奨励によって力づけられました。
3.偶像、血、絞め殺したもの、淫らな行いを避けよ
異邦人の間で神に立ち返った者たちを悩ませてはいけません。ただ、偶像に供えて汚れたものと、淫らな行いと、絞め殺したものと、血とを避けるように、彼らに書き送るべきです。使徒 15:19,20
エルサレム会議の決定は「信仰義認」と当時異邦人が慣れ親しんでいた異教との決別を意味します。当時異邦人は偶像に肉や食物をささげ、偶像の神殿の前で食べたり、市場で売ったりしていました。また、異教の儀式に関わる血と血の付いた肉の飲食、淫行や不品行が行われていたので注意するように勧められています。新約聖書では偶像にささげられた食物について兄弟姉妹に配慮するように、また、それぞれの確信に立つように勧められています。(ローマ 14:1~12、Ⅰコリント 10:18~33)
私たちを神の御前に立たせるのは食物ではありません。食べなくても損にならないし、食べても得になりません。ただ、あなたがたのこの権利が、弱い人たちのつまずきとならないように気をつけなさい。Ⅰコリント 8:8,9