「パウロ、ローマへ」(聖日礼拝メッセージ 2025/02/09)

 今日は使徒の働き29「パウロ、ローマへ」です。パウロはカイサリアで総督に対してカエサルに上訴することを希望したので船でイタリアのローマへ行くことが決まり、他の囚人と共に百人隊長ユリウスに引き渡されました。しかし、ユリウスがパウロの進言よりも船長の意見を優先したために、リキアのミラから乗り込んだアレクサンドリアの穀物定期船が大嵐に遭い難船してしまいました。パウロはAD60年初秋に出発し、マルタ島で冬の3ヵ月を過ごし、AD61年早春にローマに到着したと思われます。

1.地中海での難船
 ・・・もはや航海は危険であった。そこでパウロは人々に警告して、「皆さん。私の見るところでは、この航海は積荷や船体だけでなく、私たちのいのちにも危害と大きな損失をもたらすでしょう」と言った。しかし百人隊長は、パウロの言うことよりも、船長や船主のほうを信用した。使徒 27:9~11

 パウロは他の囚人と共にカイサリアから出航し、各地の港に寄港し、シドンからミラ(リキア地方)を経由してクレタ島の良い港に入港しました。ここでパウロは、この先航海を続けるのは危険だと警告しますが、聞き入れられずに出港してしまいます。船は間もなく暴風に見舞われてしまい、太陽も星も見えない日が続き、乗っている者は船具や積荷を捨て、14日間波に任せるまま漂流し、食事も摂れず助かる望みも失ってしまいました。

2.マルタ島への漂着
 ところが、二つの潮流に挟まれた浅瀬に乗り上げて、船を座礁させてしまった。船首はめり込んで動かなくなり、船尾は激しい波によって壊れ始めた。兵士たちは、囚人たちがだれも泳いで逃げないように、殺してしまおうと図った。しかし、百人隊長はパウロを助けたいと思い、・・・こうして助かってから、私たちはこの島がマルタと呼ばれていることを知った。使徒 27:41~28:1

 誰もが絶望している中、神様からの約束と励ましをいただいたパウロは、皆に食事を摂らせ「船は失われるが、乗員乗客(276人)は島に打ち上げられて助かる」と励ましました。そのことばどおりに船はマルタ島の浅瀬に乗り上げて損壊し、乗員乗客は命辛々助かりました。パウロは島で蛇に咬まれても死なず、長官の父の病気をいやして神様の力を証ししました。

3.神様の約束
 昨夜、私の主で、私が仕えている神の御使いが私のそばに立って、こう言ったのです。『恐れることはありません。パウロよ。あなたは必ずカエサルの前に立ちます。見なさい。神は同船している人たちを。みなあなたに与えておられます。』使徒 27:23~25

 パウロはエルサレムでユダヤ人から訴えられて保護されていた時に神様からローマでも証しするとの約束をいただきました(使徒23:11)。今回は遭難している船の中で約束が与えられました。神様の約束ですからもう少し順調に事が運んでほしいものですが、神様は「勇気を出しなさい。恐れることはありません。」と励ましのことばを与え、どんな局面であっても主イエス様を信頼し、福音を伝えるように導いておられます。
                 (エレミヤ 1:7,8、イザヤ 2:22)

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