今日は旧約2「カインとアベル」です。罪ゆえにエデンの園を追われたアダムとエバでしたが、かわいい二人の男児を授かります。しかし、この兄弟の間で人類初の殺人（尊属殺人）が行われました。その原因は、人との比較、逆恨み、悔い改めない心でした。
１．心からのささげ物かどうか
ある時期になって、カインは、地の作物から主へのささげ物を持って来た。また、アベルは彼の羊の初子の中から、それも最良のものを、それも自分自身で、持って来た。主はアベルとそのささげ物とに目を留められた。だが、カインとそのささげ物には目を留められなかった。それで、カインはひどく怒り、顔を伏せた。創世記 4:3～5（第２版）
カインのささげ物が神様に受け入れてもらえなかったのは、地の作物（穀物、野菜）だったからではなく、献げる心が問題でした。アベルは、自ら最良のものを心を込めて献げましたが、カインにはそのような心が伴っていなかったようです。神様に対する信仰の有無です。
信仰によって、アベルはカインよりもすぐれたいけにえを神に献げ、そのいけにえによって、彼が正しい人であることが証しされました。神が、彼のささげ物を良いささげ物だと証ししてくださったからです。彼は死にましたが、その信仰によって今もなお語っています。へブル 11:4
２．カインコンプレックス
カインは弟アベルを誘い出した。二人が野にいたとき、カインは弟アベルに襲いかかって殺した。創世記 4:8
兄弟姉妹間での親の偏愛、比較、競争心、嫉妬での苦しみが、ほかの人間関係にも影響し、周囲の人に憎悪を抱くことをカインコンプレックスといいます。カインは、嫉妬と逆恨みによって、本来愛すべき弟アベルを殺害してしまいました。
私たちは、一人ひとり神様によって個性豊かに創造され、イエス様の愛と救いをいただいた尊い存在です。人との比較によって劣等感や優越感を持つ必要はありません。人との比較によって相対的に価値を見出すのではなく、神様が与えてくださっている絶対的な価値を受け入れましょう。
３．罪を治めなさい
もしあなたが良いことをしているのなら、受け入れられる。しかし、もし良いことをしていないのであれば、戸口で罪が待ち伏せている。罪はあなたを恋い慕うが、あなたはそれを治めなければならない。創世記 4:7
神様は、カインが嫉妬と逆恨みによってアベルを殺害することを知っておられたので、罪の誘惑が来てもそれを治めなさいと言われました。カインに悔い改めの機会を与えてくださいました。しかし、カインは思い込みと憤りに任せて愛すべき弟を殺害してしまいました。親であるアダムとエバの衝撃はどれほどだったでしょうか。彼は、エデンの東ノデで常に恐れを抱きながら生活することになりました。
人が誘惑にあうのは、それぞれ自分の欲に引かれ、誘われるからです。そして、欲がはらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。ヤコブ 1:14,15
