今年度はヨハネの黙示録を学んでいきます。今日は、ヨハネの黙示録1「緒論」です。ヨハネは、AD95年頃にドミティアヌス帝の迫害でパトモス島に流刑となり、翌年釈放されてエペソに帰りパトモス島で見た幻について書き記したと言われています。(パトモス島で書いた可能性もあります。) ヨハネは、小アジアの7つの教会へのメッセージと今後起ころうとしている教会時代の終わりから新天新地の到来までについて、幻によって示されて書き記しました。
1.黙示録(レボリューション、アポカリュプシス)とは
それゆえ、あなたが見たこと、今あること、この後起ころうとしていることを書き記せ。黙示録 1:19
黙示録とは「覆いを取り去るもの」という意味で、来るべき時代である神様とイエス様の最終的勝利・統治と新天新地の覆いを取って明らかにしたものです。黙示録は新約聖書の中の預言書で、イエス様が語られた終わりの日(主の日)の説明と旧約聖書の預言書(イザヤ書、エゼキエル書、ダニエル書、ゼカリヤ書)からの引用が多く見られます。黙示録は、神秘的で奇妙な象徴や数字、時間的な順序の解釈など難解な点が多く様々な理解や主張がありますが、そこには有益な警告、貴重な約束、永遠の祝福の保証が含まれています。
2.イエス・キリストの黙示
私イエス・キリストの黙示。神はすぐに起こるべきことをしもべたちに示すため、これをキリストに与えられた。そしてキリストは、御使いを遣わして、これをしもべヨハネに告げられた。黙示録 1:1
ローマ皇帝によるクリスチャンへの迫害は、AD64~67にネロによって始まり、AD95年にドミティアヌス帝により4万人以上が拷問にかけられて殺されました。ヨハネはこの時期にパトモス島に流刑となりました。黙示録が書かれていた時には第3弾目のトラヤヌス帝による迫害が始まろうとしていた暗い時代でした。教会には外部からの迫害に加えて内部の堕落と背教の兆しが見えていました。黙示録は、困難に直面し、堕落と背教の誘惑の中にあるクリスチャンたちに勇気と励ましと矯正を与えるものでした。
3.幸いな者(7つの幸福)
この預言のことばを朗読する者と、それを聞いて、そこに書かれていることを守る者たちは、幸いである。時が近づいているからである。黙示録 1:3(14:13,16:15,19:9,20:6,22:7,22:14)
黙示録が書かれてから2,000年が経ちましたが、黙示録は終わりの時・主の日が近づいているので、聖書のことばを朗読し、それを守る者たちは幸いな者であると教えています。黙示録の解釈や主義・主張の違いで相手を否定するのではなく、謙虚さとバランス感覚(Ⅰコリント、ⅠⅡテサロニケ)をもって相手を受け入れ、黙示録の約束と教えに励まされてイエス様の再臨を待ち望みながら、信仰から信仰へと進んで行きましょう。
ほかの者たちのように眠っていないで、目を覚まし、身を慎んでいましょう。眠る者は夜眠り、酔う者は夜酔うのです。Ⅰテサロニケ 5:6,7