「私たちのためのしるし」ルカ 2:8~2:20

 今日の聖書個所は絵画にもあるクリスマスらしい麗しい場面です。一年を振り返ると終わりの見えないコロナやウクライナ戦争と決して明るい話題があったわけではありません。しかし、今一度救い主イエス・キリストの誕生が私たちに喜びをもたらしてくれることを味わいたいと思います。

1.「ひとつのしるし」(12節)とは?
 与えられたしるしは「みどりご」「布にくるまれ」「飼い葉おけ」の3つです。「幼子」は小さく頼りなく、かわいらしく見えますが、やがて救い主になられるお方!「布にくるまれ」は、今は隠されているが、それが明らかになったとき救い主として見えるようになるお方!生まれた家畜小屋の「飼い葉おけ」は、豪華な場所ではなく家畜の臭い糞尿のあるところです。このお方は、貧しい人々に寄り添ってくださるお方!この小さな誕生は単なる「しるし」のように思われても、時至って未来に実を結ぶ大きな恵みを私たちに与えてくださいます。

2.羊飼いのため=わたしたちのため
 イエス様が誕生した時代のパレスチナでは、羊飼いは社会の最下層の人々として見下げられていました。それは取税人や遊女たちと同じ部類です。彼らは、東方の博士たちのように高価な贈り物を手にしてはいません。彼らは本当に貧しく、献げ物が何一つなかったからです。彼らは文字すら読めなかったとも言われています。でも羊を置き去りにしてまでイエス様を礼拝する姿に彼らの信仰を見ることができます。

3.「地には平和、御心にかなう人々」にあるように
 今年の漢字に「戦」が選ばれました。イエス様が生まれた時代は、”Pax Romana”(ローマの平和)と呼ばれていました。大きな戦争もなく、国内的にも安定していたようです。昔も今も人は、戦争がなく、政治的に安定し、経済も順調で、病気やけがのない生活を求めます。しかし、クリスチャンはもしそれらが欠けていたとしても、神様にある平安を持つ秘訣を心得ています。「御心にかなう人々」にとっては、たとえ戦争が起こり、コロナに感染したとしても、主がともに(インマヌエル)おられます。

4.私たちの生活への適用
1)天使の知らせを聞いた羊飼いたちが「主が私たちに知らせてくださっ たこの出来事を見届けて来よう」(15節)と、羊を置いてベツレヘム  (パンの家の意味)へ行きました。それは、毎週の礼拝であり、毎日主 の前に座って、聖書を読み、お祈りすることであり、私たちの喜びです。
2)「心に納める(スンテレオー)」(19節)は「自分の心の中に忘れな いように留めておく」ことを意味します。「しかし、マリアは~」とあ るように、羊飼いの話したことを鵜呑みにするだけでなく、自分のこと として味わい、最大漏らさずその話を心に刻み付けたのでしょう。
3)「思いを巡らす(スンバロー)」(19節)新約では6回使われ、〈と もに〉と〈投げ合う〉という語の合成語です。論じ合ったり、互いに協 議したり、助け合ったりすることから、「心の中でじっくり考える。熟 考する。」という意味があります。聖書の言葉を自分の生活にあのよう に、このように適用しようと考えることであり、また信仰の友と話し合 ったり、助け合ったりすることです。
                                  (藤島昇兄)

タイトルとURLをコピーしました