今日は使徒の働き9「7人の任命」です。教会が急成長する中(3万人?)、食事の配給に関するトラブルが発生しました。使徒たちは食事のことでみことばの教えがおろそかになってはいけないと、7人の執事を任命しました。教会はさらに成長していきました。
1.教会内のトラブル
弟子の数が著しくふえていたのであるが、ヘレニスト〈ギリシア語を話すユダヤ人〉によって〔土着の〕へブル人に対する不平が申し立てられた。それは彼らの中のやもめたちが毎日の援助〈〔救援物資の〕分配〉にあたって、見過ごされ〈おろそかにされ〉たからであった。使徒 6:1(詳訳)
ヘレニストとは、ギリシヤやローマなどの外地で生まれて生活していた、いわゆる離散のユダヤ人で、ギリシヤ語を使っていました。片やヘブライストは地元で生まれて生活してきたユダヤ人で、先祖伝来のアラム語を使っていました。両者の確執が、やもめへの配給のことで表面化して不平の申し立てとなりました。
2.執事の任命
・・・「私たちが食卓に仕える〈食物の分配を監督する〉ために神のことば〔の説教〕をやめる〈おろそかにする〉ことはよくありません〈望ましくありません〈正しくありません〉・・・〈聖〉霊と知恵に満たされた善良な〈保証済みの〉性格〈評判〉の者七名を選び出してください。・・・そして私たちは、今後はもっぱら、祈りとみことばの奉仕に専心するつもりです」。使徒 6:2~4(詳訳)
生い立ちや生活習慣、言語が違う人々の対立によって、同じイエス様を救い主と信じる一致すべき兄弟姉妹、教会に対立が生じました。使徒たちは、教会で最も大切なみことばの教えがおろそかにならないように、役割分担のために執事を任命しました。執事は事務的な働きのように思えますが、聖霊様に満たされた信仰と人格が社会的にも認められた確かな人物が選ばれました。その中には、最初の殉教者ステパノ(使徒 7章)、サマリア伝道のピリポ(使徒 8章)がいます。
3.さらなる成長
神の使信は広がり続け、エルサレムでは弟子の数が非常に増えた。・・・多くの祭司たちが〔イエスをメシヤと信じ、彼によって神の国における永遠の救いが得られるとの〕信仰に従順になった。使徒 6:7(詳訳)
食事の配給の問題でギクシャクした教会も、執事の任命による役割分担で解決に向かい、みことばの教えによって成長していきました。さらに多くのユダヤ教の祭司も救われて弟子に加えられていきました。
教会には様々な背景を持った人々が集められています。私たちはさばく者ではなく(ヤコブ 4:11)、愛し受け入れ合う者です。みことばの教えを第一とし、互いが役割を担って仕え合うところに成長があります。
〔結局のところ〕神の国とは〔自分の欲する〕食べ物、飲み物〔を用いるというような〕事柄ではなくて、義〈人間が神に受け入れられる状態〉と内心の平和と聖霊による喜びなのです。ローマ 14:17(詳訳)