今日は使徒の働き28「パウロとアグリッパ王」です。カイサリアでAD58~60の2年間軟禁状態だったパウロは、アグリッパ王の前でもどのようにイエス様に出会い救われたのかを証しし、今訴えられているのは不当であると主張して、王様も含め皆にイエス様の救いを受けてほしいと願いました。
1.フェストゥスの期待
ところが、彼について、わが君に書き送るべき確かな事柄が何もありません。それで皆さんの前に、わけてもアグリッパ王、あなたの前に、彼を引き出しました。こうして取り調べることで、何か私が書き送るべきことを得たいのです。使徒 25:26
フェリクスの後任の総督フェストゥスは、パウロに訴えられているような罪を認めることができませんでした。フェストゥスはユダヤ人同士の宗教的な争いに手を焼き、ユダヤの王であるアグリッパ王に助けを求めました。アグリッパ王(ヘロデ・アグリッパ2世、父ヘロデ・アグリッパ1世はヨハネの兄弟ヤコブを殺害:マタイ12:2、祖父ヘロデ・アンティパスはバプテスマのヨハネを殺害:マタイ14:10、イエス様を愚弄:ルカ23:11、曾祖父ヘロデ大王はベツレヘムの幼児を殺害:マタイ2:16)は、興味本位でパウロの話を聞こうとしました。
2.パウロの証しと伝道
そして、すべての会堂で、何度も彼らに罰を科し、御名を汚すことばを無理やり言わせ、彼らに対する激しい怒りに燃えて、ついには国外の町々にまで彼らを迫害して行きました。使徒 26:11
王様はこれらのことをよくご存じですので、その王様に対して私は率直に申し上げているのです。このことは片隅で起こった出来事ではありませんから、そのうちの一つでも、王様がお気づきにならなかったことはない、と確信しています。使徒 26:26
フェストゥスは異邦人なのでパウロの証しを頭がおかしくなっていると捉えましたが、アグリッパ王はユダヤ教の教え、習慣にも精通しており、イエス様の十字架と復活、教会の誕生についてもよく知っていました。パウロはイエス様のメッセージとして「悔い改めて神に立ち返り、悔い改めにふさわしい行いをするように」(使徒26:20)迫りました。
3.アグリッパ王の動揺
するとアグリッパはパウロに、「おまえは、わずかな時間で私を説き伏せて、キリスト者にしようとしている」と言った。使徒 26:28
それは彼らの目を開いて、闇から光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、こうしてわたしを信じる信仰によって、彼らが罪の赦しを得て、聖なるものとされた人々とともに相続にあずかるためである。』使徒 26:18
アグリッパ王は、パウロの証しと理路整然としたメッセージに、自分も悔い改めてクリスチャンになりたいという衝動にかられました。パウロの証し伝道と誠実で熱心な生き方が皆の心を動かしました。闇から光に、サタンの支配から神に立ち返らせる働きは、私たちクリスチャンにしかできない最も尊い働きです。(Ⅱテモテ 4:2、テトス 1:3,3:8)