今日は使徒の働き30-4「ローマでのパウロ(1)テトスへの手紙」です。 テトスへの手紙はテモテへの手紙Ⅰ、Ⅱと共に牧会書簡と呼ばれています。テトス(ギリシア人)は「使徒の働き」には登場しませんが、パウロの右腕として伝道旅行に同行し、エルサレムにも上り、コリント教会の問題を解決し、クレタ教会の牧会を任されました。パウロはクレタでの牧会上のアドバイスを与えています。
1.テトス
しかし、気落ちした者を慰めてくださる神は、テトスが来たことで私たちを慰めてくださいました。Ⅱコリント 7:6
それから十四年たって、私はバルナバと一緒に、テトスも連れて、再びエルサレムに上りました。ガラテヤ 2:1
テトスはダルマティアに行きました。Ⅱテモテ 4:10
パウロはテトスを信頼して聖徒のための募金集めと問題解決のためにコリントに派遣し、クレタの教会を任せました。パウロが逮捕されてローマに行った時も同行していました。その後、パウロに遣わされてダルマティア(旧ユーゴスラビア)に宣教に行き、晩年はクレタにいたようです。
2.牧会上の問題点
実は、反抗的な者、無益な話をする者、人を惑わす者が多くいます。特に、割礼を受けている人々の中に多くいます。テトス 1:10
ユダヤ人の作り話や、真理に背を向けている人たちの戒めに、心を奪われないようにさせなさい。テトス 1:14
パウロはテトスに「同じ信仰による、真のわが子」と呼びかけて、クレタでの牧会上の注意を与えています(AD65年頃)。元々クレタ人の素養が良くないため(嘘つき、粗暴、怠惰、大食漢)それを矯正し、ユダヤ主義者たちの偽りの教えが忍び込んで来ていたので、それらに惑わされないようにみことばの教えと健全な教えに努め、彼らが慎み深く敬虔な生活を送るように勧めなさいと記されています。
3.礼儀正しい者
あなたは人々に注意を与えて、その人々が、支配者たちと権威者たちに服し、従い、すべての良いわざを進んでする者となるようにしなさい。また、だれも中傷せず、争わず、柔和で、すべての人にあくまで礼儀正しい者となるようにしなさい。テトス 3:1,2
パウロは、私たちの救い・信仰生活・永遠のいのちによる望みは、行いによる義ではなく、救い主イエス様のいつくしみと愛、聖霊様による再生と刷新、聖霊様の満たしによって与えられるものであると教えています。イエス様によって新しく生まれた者は、主の栄光のために、①国の指導者に従う、②隣人に礼儀正しく生きる、③神様に礼儀正しく生きる者となるように命じています。
実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをあらかじめ備えてくださいました。エペソ 2:10