今日は使徒の働き32「ローマでのパウロ(2)」です。パウロは第4回伝道旅行後に再度逮捕されてローマに連れ戻され、AD67年頃斬首により殉教したようです。テモテへの手紙第二は処刑を待つ間に書かれたパウロの最後の手紙と言われています。パウロは殉教を目前にして、自分が信じて歩んできた道に一点の曇りも後悔もなく、自分を救ってこの人生に召してくださったイエス様に感謝し、イエス様が天で自分を歓迎して義の栄冠を授けてくださると確信しています。
1.パウロの殉教
私はすでに注ぎのささげ物となっています。私が世を去る時が来ました。Ⅱテモテ 4:6
AD64年、皇帝ネロは壮麗なローマ市再建のため自身で放火し、奴隷が多かったクリスチャンの罪にして処刑しました。これが迫害の始まりとなり、パウロ(Ⅱテモテ 2:9)とペテロも捕らえられて殉教しました。パウロは濡れ衣を着せられたクリスチャンたちの指導者として捕らえられて処刑された可能性があります。パウロはこの手紙で我が子のような同労者テモテに、激しい迫害の嵐がテモテの周辺にも吹き荒れるだろうけれども、自分自身の召しに忠実に従い、生涯を全うするように励ましました。
2.走るべき道のり
私は勇敢に戦い抜き、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。Ⅱテモテ 4:7
パウロはユダヤ教のパリサイ派としてクリスチャンを迫害していましたが、ダマスコ途上で復活のイエス様にお会いして救われました。その後、同胞の救いのために奔走し(ローマ 9:3)、異邦人の使徒として小アジア、ヨーロッパ各地にくまなく福音を伝えました(使徒 19:10)。パウロは災害や迫害、偽りの教えや偽兄弟の難、犯罪の被害に遭いながらも、天幕作りの仕事をしながら35年間にわたって福音宣教と牧会と弟子養育、聖書の執筆に全力で取り組み、イエス様から与えられた使命を全うしました。
あなたにとって「走るべき道のり」とはどのようなものでしょうか。
3.義の栄冠
あとは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。その日には、正しいさばき主である主が、それを私に授けてくださいます。私だけでなく、主の現れを慕い求めている人には、だれにでも授けてくださるのです。Ⅱテモテ 4:8
パウロはかつてピリピ1:20~26で「世を去ってキリストとともにいることのほうがはるかに望ましい」と言いました。今、殉教を目前にして「イエス様が私に義の栄冠を授けてくださる」と確信し、揺るがない希望を表明しました。理不尽と思える最後に対して、絶望、恨み、後悔、恐怖ではなく、正しい審判者、愛と赦しのお方、勝利者なるイエス様が自分を受け入れて抱擁してくださると喜びに溢れています。私たちもイエス様の現れを慕い求めています。パウロと同じ義の栄冠をいただくことができます。
私たちは朽ちない冠を受けるためにそうするのです。Ⅰコリント 9:25