使徒の働き(使徒行伝)は、パウロとともに伝道旅行をした医者ルカが、ルカの福音書の続編として記したものです(使徒1:1,2)。ルカの福音書はイエス様が地上での御業を始められ、救いを完成して昇天されるまで、使徒の働きはイエス様が聖霊様によって御業をなし続けられたことが描かれています。おおよその年代と出来事は以下の通りです。
AD30年 1章 イエス様の昇天
1,2章 ペンテコステ、教会の誕生
5章 アナニヤとサッピラの死
7章 ステパノの殉教
AD32年 9章 サウロ(パウロ)の回心
10章 コルネリオの回心
AD46年 13章 第1回伝道旅行
AD48年 15章 第2回伝道旅行
AD53年 18章 第3回伝道旅行
AD63年 28章 ローマでのパウロ
1.聖霊の働き
「使徒の働き(使徒行伝)」は「聖霊の働き(聖霊行伝)」とも呼ばれます。ペンテコステ以来、聖霊様に導かれた使徒たちには、異言(外国語)やしるしと不思議(癒し、悪霊追い出し、瞬間移動、死人の蘇生など)が伴い、イエス様の十字架と復活の証しにより、同胞と異邦人に神様の救いを宣べ伝えて行きました(使徒 2:23,3:6,7,5:15,16,8:39,9:40)。
聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。使徒 1:8
すると皆が聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、他国のいろいろなことばで話し始めた。使徒 2:4
2.最初の殉教者
「主よ、この罪を彼らに負わせないでください。」こう言って、彼は眠りについた。使徒 7:60
ヘロデ王は、教会の中のある人たちを苦しめようとしてその手を伸ばし、ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。それがユダヤ人に喜ばれたのを見て、さらにペテロも捕らえにかかった。使徒 12:1~3
ステパノは信仰と聖霊と恵みと力に満ちた評判の良い兄弟で、大いなる不思議としるしを行っていました。しかし、敵対する人々は彼の知恵と御霊の議論に対抗できないため、「彼が神を冒涜した」との偽証人を立てて最高法院に訴え、石打ちの刑に処してしまいました。ステパノはイエス様を見つめ、今、自分を殺そうとしている者のために執り成しました。
聖霊様のしるしと不思議によって福音宣教が拡大し、多くの人々が救われる一方、殉教により尊い命がささげられました。
3.現在の使徒の働き
使徒(12使徒、パウロ、バルナバ、ヤコブ)はイエス様から任命された者、復活の証人です。私たちはその後、先に救われた兄弟姉妹の福音宣教によって救いを受け、使徒たちと同様に宣教命令と聖霊様の内住をいただきました。使徒の時代も現在も、聖霊様の働きに違いはありません。私たちも聖霊様の満たしを求め、主イエス様の十字架と復活を証ししましょう。
神の賜物と召命は、取り消されることがないからです。ローマ 11:29