「もの言うロバ」(礼拝メッセージ2018/10/21)

旧約聖書は、今を生きる私たちのために書かれています。
出エジプトを果たし、約束の地カナンを目指すイスラエルの民は、エリコの対岸、モアブの野に宿営しました。モアブの王バラクは、彼らの数と今までの快進撃のうわさを聞いて恐れ、はるばる500km先のペトルから占い師バラムを招き、呪いによってイスラエルに勝利しようとしました。

神はバラムに言われた。「あなたは彼らと一緒に行ってはならない。また、その民をのろってもいけない。その民は祝福されているのだから。」   民数記 22:12
1.主はロバにものを言わせるお方
占い師バラムは、バラク王から依頼を受けますが、「行ってはならない」とはっきり主の命令を受けていました。それでも彼は、報酬に目がくらみ、何度も主のみこころを求めます。主はとてもユニークな方法で彼の行動にブレーキを掛けました。

主がろばの口を開かれたので、ろばはバラムに言った。「私があなたに何をしたというのですか。私を三度も打つとは。」       民数記 22:28

彼らは正しい道を捨てて、・・・バラムの道に従ったのです。バラムは不義の報酬を愛しましたが、・・・ろばが人間の声で話して、この預言者の正気を失ったふるまいをやめさせたのです。     Ⅱペテロ 2:15,16

2.バラムの罪
バラムはバラク王の呪いの依頼に対して、イスラエルを祝福しましたが、最終的には大きな罪を犯してしまい、殺されました。(民数記31:8,16)

バラムはバラクに教えて、偶像に献げたいけにえをイスラエルの子らが食べ、淫らなことを行うように、彼らの前につまずきを置かせた。黙 2:14

3.現代のバラムの罪
①自分の都合を最優先するゴリ押しの祈り
主のみこころがはっきりとみことばによって示されているにも関わらず、自分の要求を呑ませようとする祈り。主がそのように導いたかのように自分で納得し、あたかも信仰的であるかのように周りにも言いふらす。
②主の恵みからの逸脱
私たちは、主の選びと恵みと信仰によって救われました。主の愛の中に生かされ、聖霊様が内住される神様の宮となりました。自分の行いや働きによって認めてもらおうとする努力は不要です。
③霊的体験の偏重
霊的体験の有無と信仰深さとは無縁です。パッとしない信仰生活を一瞬にして変える方法はありません。(コロサイ2:16~19)

ことさらに罪を求め続けると、主はその罪の中に私たちを任されます。私たちは、自分の思いを押し通す祈りや行動を捨て、主とみことばと兄弟姉妹に仕える心を持ち、落ち着いた信仰生活を送りましょう。

彼らは荒野で激しい欲望にかられ、荒れ地で神を試みた。そこで、主は彼らにその欲するものを与え、彼らのいのちを衰えさせた。     詩篇 106:14,15

《苫小牧めぐみキリスト教会 高石富生 講壇交換 室蘭聖書教会にて》

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