パウロは、最初の投獄(使徒28章)から釈放され、西方地域の伝道活動の間にⅠテモテとテトスへの手紙を、再投獄時にテモテへの手紙第2を記したとされています。テモテへの手紙第2は、パウロの最後にして、最も感動的な手紙です。パウロがこの手紙を書いていた時は、クリスチャンの仲間が離れ去り、そばにはルカしかおらず、殉教が迫っていました。しかし、彼には少しの恐れや疑いがなく、主に対する信頼と今までの歩みに対する確信と我が子のようなテモテを励ます心だけがありました。
1.困難な時代
終わりの日には困難な時代が来ることを、承知していなさい。Ⅱテモテ3:1
パウロは困難な時代がやって来ると明言しました。それは、ローマ皇帝ネロや異教徒による外側からの迫害と内側からの兄弟姉妹の背信・離反です(Ⅱテモテ1:15,2:17,4:10,14)。私たち兄弟姉妹はイエス様から、互いに愛し合い、赦し合い、仕え合ってひとつになるようにと命じられているのに、神学、政治、考え方が違うからと言って神の教会を離れる者がいます。
①自分だけを愛する時代
自分だけを愛し、金銭を愛し、大言壮語し、高ぶり、神を冒涜し、両親に従わず、恩知らずで、汚れた者になります。・・・神よりも快楽を愛する者になり、・・・こういう人たちを避けなさい。Ⅱテモテ 3:2~5
②健全な教えから離れる時代
人々が健全な教に耐えられなくなり、耳に心地よい話を聞こうと、自分の好みにしたがって自分たちのために教師を寄せ集め、真理から耳を背け、作り話にそれて行くような時代になるからです。Ⅱテモテ 4:3
2.イエス様のための苦しみをともに
神の力によって、福音のために私と苦しみをともにしてください。Ⅱテモテ1:8
キリスト・イエスの立派な兵士として、私と苦しみをともにしてください。Ⅱテモテ2:3
パウロは、激しい迫害の嵐が吹き荒れ、人々の愛が冷え込む時代であっても、私とともにイエス様のための苦しみを共有してほしいとテモテに願っています。パウロはイエス様からそのように教えられ、その生き方に最大で唯一の価値を確信していました。(使徒14:22、ピリピ3:8)
3.恵みによって強くなりなさい
私の子よ、キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。Ⅱテモテ 2:1
パウロは、自己実現、自己満足、自己計画達成のために自分の頑張りによって生きるのではなく、イエス様に対する信仰とイエス様のもとにある恵みによって生きるように勧めています。恵みとは「功績によらない愛顧、厚意、愛のこもったいつくしみ、霊的祝福」のことです。
私たちの信仰を揺るがそうとする迫害という外的な力(同調圧力対自己保身とプライド)や兄弟姉妹を愛してみことばに生きようとする心をくじく兄弟姉妹の背信があっても、イエス様の恵みによって強められましょう。
しかし主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。 Ⅱコリント 12:9
恵みによって心を強くするのは良いことです。 へブル 13:9