
「信仰義認」(礼拝メッセージ2020/07/19)
マルティン・ルターから始まった宗教改革によって新たに確認された信仰―それが今日使われている「信仰義認」という言葉です。
「ローマ人への手紙」は大きく二部構成になっています。パウロは第一部1章~11章の「教理編」でキリスト教の教理的真理を詳しく説き起こし、第二部12章~16章の「信仰の実践・生活編」で教理を実践としてどのように展開するのか、キリスト者はその生活の中で信仰をどう具体化していくのか、数々の勧めを記しています。
1.「義」という漢字
神学者の北森嘉蔵は「義」という漢字に注目しています。「義」は、羊と我という字からできています。上は「羊」、下の「我」は私という一人称を意味する字ではなく、武器の「戈」(ほこ)を表す象形文字が原形で、これにギザギザとした鋸状の刃を付けた象形文字が「我」という字だといいます。「義」の旧字体は「羲」。白川静『常用字解』によると、犠牲にする羊を鋸(の...